2021シーズン振り返り 背番号68 岸潤一郎
【2021成績】
100試合 打率.220 338打席 304打数 67安打 9二塁打 1三塁打 9本塁打 105塁打 30打点 29得点 49三振 13四球 5死球 15犠打 1犠飛 2盗塁 1盗塁死 10併殺打 出塁率.263 長打率.345 OPS.609 得点圏打率.233 3失策
犠打7位タイ
かつて明徳義塾高校の4番ピッチャーとして史上最高傑作とまで言われながらも一度は野球から離れた「消えた天才」は、独立リーグを経てライオンズにドラ8指名されて、遂に天才が蘇りました。
かつての甲子園スターだけあって、打った時のインパクトが大きいのが岸選手です。プロ初ヒットは巨人戦で鍵谷投手から打った特大のホームラン、ちょうど若林選手が靭帯損傷で長期離脱を余儀なくされた中で救世主として現れました。そこから2週間で4本塁打、6月月間打率.264、長打率.444とパンチ力と思い切りの良さを発揮しました。
ただ、身体能力は高いですが技術的な部分が皆無なので、徐々に数字を落としていきます。特に打率に関しては厳しかったですね。基本的に全部引っ張ろうとするので後半戦は一発屋みたいなスイング連発で打ち損じを量産しました。低打率、低得点圏打率、低出塁率と最終的な数字はかなり下がりました。
それ以上に、文春砲で既婚者の立場でありながら佐々木投手同様にSNSで女遊びを企んでいた畜生ぶりには唖然となりましたが(その直後に反省の意思で丸刈りになってお立ち台で走塁ミスでの謝罪が文春砲の謝罪にしか見えなかったのは笑いましたが)、その文春砲を跳ね除けた岸潤砲は辻監督も我慢強くスタメン起用を続けて、数字は低くても打つ場面だけは非常に印象に残る(山本由伸投手からホームラン、ソフトバンク戦で森投手から逆転タイムリー、楽天戦でサヨナラタイムリー等)活躍で最終的に100試合出場しました。ドラ8指名から2年でここまで辿り着けたのは十分頑張ったと言えるでしょう。
昨年の岸選手は技術力が皆無でしたが、逆に言えばに野球センスと身体能力の高さだけでこれだけの数字を残したとも言えます。岸選手の長所は思い切りの良いパンチ力のある打撃です。初球から積極的に振っていきますが初球打率.271、4本塁打とそれが結果に繋がっています。さらにストレート打率.252、カットボール打率.278、ツーシーム打率.250と速球系には比較的対応出来ています。速球に力負けせずに長打を打てるというのは岸選手の身体能力の高さを証明しているところです。ゾーン別打率で真ん中高めが打率.321、3本塁打と好成績です。張り切りの良さとしては高めにも比較的強いとなっています。
突然ですが、身体能力が高くパンチ力もある、一方で技術力がなくバントは出来るが低打率、低出塁率、守備も肩はあるが守備範囲とスローイングが雑、しかしたまに打った時のインパクトは大きく、そしてそんな選手が他の選手を差し置いてスタメン起用がずっと続く、このパターンで思い付く選手はいるでしょうか。正解は元祖辻発彦愛人枠の木村選手です。今では木村選手がいなくなって少しだけ寂しさもありますが笑、まさに昨年の岸選手は木村選手と似通った数字を残しています。これが木村選手だったら批判噴出ですが、まだ2年目の岸選手だからこそこれからの期待値を込めて評価しているわけですので、ここからは今年の課題及び改善点になります。
まず打撃ですが、低打率に終わっているのは全部引っ張ろうとするからです。昨年は二桁本塁打狙いで特に最後は長打狙いが露骨に出ていましたが、何でもかんでも強引に引っ張ろうとしたら打率が落ちるのは当然です。この結果から打率は落ちてボール球に手を出すのも増えて出塁率も落ちています。速球の打率に対して変化球の打率は軒並み低くなっています。ただ、技術力は皆無でも実力は秘めています。たまにですがオリックス戦でバルガス投手の縦スラを追っつけて右中間に打った三塁打や、楽天戦でのサヨナラタイムリーも右にしっかり流し打ちました。実力としては可能なので、あとはそれを確実に出来るようにしないといけません。まずは引っ張るだけでなく変化球は右に流し打って打率を上げることからです。
守備に関しても盗塁は出来ませんが足自体は遅くなく、肩もありますがここも技術力不足の問題が生じます。基本的に打球判断が下手で、私が現地観戦した試合でもセンター後方への飛球をフェンスに行くと勝手に決めつけて打球から目を逸らしてフェンス目掛けて一直線、いざ辿り着いたらフェンス手前に落ちて鈍足のデスパイネ選手に三塁打を許すという大チョンボをやらかし、その直後の守備体系で前に出過ぎてベンチから小関コーチの怒声が鳴り響く事態になりました。送球も強肩の部類ですがスローイング能力は低いです。大体逸れますし、ストライク送球で投げた記憶がないです。日本ハム戦で西川選手のタッチアップをアウトにしたのも送球自体は逸れていました。こんな感じでゴールデングラブ賞を目標に掲げる愛斗選手とは対照的に、まずは佐藤友亮コーチと基礎を学び直すところから始めないといけません。
個人的には6,7番辺りで打撃強化してもらいたい考えですが、本人は2番打者になることを目標にしました。それには技術力を身に付けることが絶対条件で、特に出塁率.263の選手を2番とかあり得ないです。昨年は育成の意味合いで我慢しましたが、今年は立場が変わります。実力でレギュラーを勝ち取らなければいけませんし、今年もこの数字でスタメン起用が続くと木村選手に変わる愛人枠認定される危険があります。センスと身体能力の高さは本物です。あとは数字として確かなものを残せるかです。今年はSNSには十分注意して、真摯に野球に取り組んで飛躍してもらいたいです。
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