FA制度考察—FA制度の現状—
今日はFA制度の現状について考えてみましょう。
FA制度自体は皆さん知っていると思いますが、一応Wikipediaには以下のような記載があります。
「フリーエージェント(free agent, FA)とは、いずれの球団とも選手契約を締結できる権利をもつ選手のこと。フリーエージェントとなることができる権利を「フリーエージェント(FA)権」、選手がFA権を行使することを「FA宣言」という。
日本野球機構(NPB)組織のいずれの球団とも選手契約を締結できる「国内FA」と、外国のいかなるプロ野球組織の球団も含め、国内外のいずれの球団とも選手契約を締結できる「海外FA」の2種類がある。「国内FA」権を取得するには原則として8シーズン、「海外FA」権を取得するには9シーズンの出場選手登録日数が必要である。また、一度FA権を行使して球団と契約した選手は出場選手登録が4シーズンに達したときに「海外FA」となる資格を取得する。
選手はFA宣言したうえで移籍せずに前所属球団と契約することもできる。FA移籍が成立した場合、一定の条件下で移籍先球団から移籍元球団へ金銭補償や人的補償が必要になる場合がある。現行制度では、外国人を除く年俸上位11位以下の選手(Cランク)のFA移籍においては補償は不要である。
日本におけるFA制度は1993年のオフに導入され、2003年、2008年に改正が行われた。なお、この制度の前身として1947年から1975年まで10年選手制度があった。」(そのまま抜粋しました)
まあ簡単に言えば一定の年数一軍に登録されていれば、自然と取得出来る権利ということです。そしてこの権利を取得して行使すれば、他球団との交渉する権利が発生するというとこです。
ここでよく言われることとして、「FAは選手の権利」と主張されます。私の知り合いにもFAは選手の権利だと思い込んでいる人は多数いますが、私はもうそんな論理は破綻しているとしか思っていません。
選手の権利だと主張する人は、長年頑張って1軍に居続けたんだから、FA権はあって当然みたいなことを私の知り合いは言っていました。そして移籍する自由も選手にはあるとも言っていました。私の知り合いの主張を全否定する気はありませんが、少し論点がズレてるのではないかな、と思うことがあります。
FAは選手の権利という意見は間違っていませんが、選手の権利以前に球団のマネーゲームになっていないか、ということです。要するに金満球団が一番特するようなシステムになっていないるのでは、と考えることが出来ます。
歴代FA選手の入退団を合計してみると、一目瞭然です。(海外FAも含みます)
1位.巨人 +18(入団26、退団8)
2位.ソフトバンク +2(入団13、退団11)
2位.阪神 +2(入団12、退団10)
4位.楽天 +1(入団4、退団3)
5位.DeNA 0(入団9、退団9)
6位.中日 −2(入団7、退団9)
7位.ヤクルト −4(入団4、退団8)
7位.ロッテ −4(入団3、退団7)
9位.オリックス −6(入団6、退団12)
10位.広島 −9(入団0、退団9)
11位.日本ハム −12(入団2、退団14)
12位.西武 −15(入団3、退団18)
海外FA込みなので+の値は低くなりましたが、歴然とした差が明確になっています。この数字から見ても、+となっている上位3球団、それから今後FA強奪が多数見込まれる楽天も含めると、金満球団が断然有利な制度になっているということが分かります。
西武がなぜ流出が一番多いのか、解決策はあるのか等に関しては、別の機会に書きたいと思います。
なぜFA制度が金満球団が断然有利の制度になっているのか。理由として挙げると、FA選手獲得球団の方のデメリットが圧倒的に少ないからです。
FA選手を獲得した際には、獲得した球団は元いた球団に人的補償としての選手1人と金銭、あるいは金銭だけのどちらかを提供しないといけない仕組みですが、これがほとんど痛くも痒くもないからです。
今年に関しては巨人では内海投手と長野選手が人的補償になって色々と物議になっていますが、基本的には28人プロテクト出来る現在の人的補償では、制度のバランスの均衡が全く保たれていないということが言えます。現に内海投手、長野選手の人的補償はファンの反感を買う形になったのは間違いないですが、戦力になるかどうかという話は別問題です。
そして今年のFA戦線を見れば一目瞭然ですが、全選手マネーゲームと化していることが分かります。巨人に入団した丸選手は5年35億、炭谷選手は2年3億、阪神に入団した西投手は4年10億、楽天に入団した浅村選手は4年36億とハイパーインフレを起こしているレベルの金額となりました。
この中で炭谷選手に関しては西武での待遇の悪さが顕著であり、お金以前に出場機会を求めていたことは間違いないので、選手の権利という観点は概ね正しいでしょう。西投手に関しても4年10億は高い気がしますが、前年にオリックスが成績不振を理由に複数年契約を結ばなかったのも原因にあると思います。この2人に関しては、私はそんなに問題はないように思います。
問題はやはり丸選手と浅村選手。丸選手に関しては巨人がルール違反をしているわけではありませんが、広島の4年18億と比べたら別次元の金額を提示しています。金で移籍したことが目に見えています。当たり前ですが、こんな移籍を選手の権利を理由にして、広島ファンが納得するわけがありません。移籍してから丸選手への不満や怒りをぶちまけたり大量の丸選手グッズがメルカリなどに出品されてたりしていますが、その行動が正しいかは別として、私は広島ファンの気持ちは理解出来ます。
悪質なのは浅村選手と楽天フロントです。
https://seibulionsblog.muragon.com/entry/237.html
ここでも述べましたが、4年36億というハイパーインフレ金額に加えて、浅村選手の非常識かつ嘘ばっかりの発言、楽天フロントが浅村選手の親族や関係者を巻き込んでシーズン中に出来レースに持ち込むなど、批判されて当然の内容ばかりのFAとなっています。こんなのどう考えてもFA制度を悪用されて強奪されたと考えた方が自然です。親族や関係者を巻き込んでいる時点で、選手の権利なんかどこにもありません。だから浅村選手へのブーイングは当然の行為なわけです。
このままFA制度が続いていったらどうなるのか。予想ではありますが、巨人、阪神、ソフトバンクといった金満球団が今後もFA制度で優位に立つのは間違いないですが、楽天が囲い作戦で二度も西武の選手を強奪に成功しているので、ルール無視の囲い行為が横行するのではないかと思います。石井一久氏は身内の人物を好む癖も判明したので、西武はこのままいくと間違いなく強奪の被害に遭い続けるでしょう。
FAは選手の権利という意見を全否定はしませんが、せめてその主張が通用する選手とそうでない選手がだれかぐらいはちゃんと理解してからその意見を主張して欲しいと思います。
よければポチっとひと押しお願いします!
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。